現在私が代表をしております、この北斗水産を設立するにいたった経緯をここで述べさせていただきます。私は現在の北斗水産設立前は札幌中央卸売市場の大手水産仲卸会社に20年勤務、僅かばかりではありますが流通の一端を担っておりました。現在の市場は昭和39年に今の体制がほぼ確立し、当時としては非常に効率の良い画期的な運用システムで稼働され誰もがその存在理由を疑う人はおりませんでした。しかし約半世紀が過ぎ、尊敬する松下幸之助の提唱した水道水哲学、供給が需要を作るといわれた時代、いわゆる一元性大量消費時代の終焉と最終ユーザーである個人のニーズの変化から大きな流通の転換期を迎えているのではないでしょうか、そうした私個人の考えの中、現在の中央市場の機能的な役割に疑問を感じた私は正確な情報と、よりよい商品を適切な価格で消費者に届けるために、それまで勤めていた会社を退職、今の会社を設立致しました。

　私達の会社は決して大きくありません、また大きくしようとも考えておりません。しかしこれからの時代には大きな敷地も箱も必要ありません、余計なコストをかけないだけ適切な価格で鮮度のよい商品を効率よく消費者に送り届けることができるのです。産地の情報と消費者の声をいかに結びつけるか、どういった形での流通が最適であるかということが私達の役目です。そうした私の理念に賛同していただきました皆様のお力をかりまして設立以来、毎年目標数字を大きく上回る数値で推移しております。これからも初心を忘れず少数精鋭主義で地域に貢献していく会社づくりを目指していく所存でございます。